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タイの人気ラブストーリー・クーカムの日本と多くの関係を解く:テレビ・映画・主題歌・あらすじ・小堀役の男優・女優等を記載

日本と関わりの多いタイの伝説的物語クーカムとは?

タイ人が日本人と分かると日本の名前を言ってくることは良くあることですが、のび太やホンダなどに混ざって、コボリという苗字を良く聞くと思います。

初めて聞いた時には、日本の苗字としてそれほど多くはない小堀と言うこの苗字を、なんで多くのタイ人が知っているんだろうと思いますよね。

ひつじ執事
ひつじ執事
これはタイで伝説的な人気となったクーカムと言う物語の主人公の名前なんです。

このクーカムと言う話は、色々な意味で日本と深く関わりがあります。

タイ人の多くの人が見ているこの物語と背景を、日本人として知っておいて損はないと思います。

今回は、このタイで伝説的ヒットドラマのクーカムについて解説したいと思います。

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繰り返し映画とドラマ化がされるメナムの残照

クーカムのあらすじ

この物語は、第二次世界大戦下でも貧しいながら謙虚に暮らすタイ人家族の居るバンコクを舞台として、そこに日本軍が進軍し半強制的に駐留する所から始まります。

主人公のタイ人女性アンスマリンは、婚約者がイギリス留学中に戦争が起こることで、軍隊に行くこととなり帰国できなくなくなります。

その一方で父親の考えにより、強制的に駐留する日本人の若き将校の小堀と政略的な結婚をさせられてしまいます。

進軍してきた日本軍に対する感情もあり、アンスマリンは小堀に対して嫌悪感を隠せずにいましたが、彼の人柄を知るうちに段々と彼に惹かれるようになり、自分の恋心に気が付くようになっていきます。

しかしアンスマリンが自分の気持ちに素直に向き合える頃には、戦争と言う時代の大波に飲み込まれていってしまう悲劇のラブストーリーです。

因みにクーカムとは、タイ語で運命の人という意味です。

メナムの残照

このクーカムの原作は、女流作家トムヤンティー(ทมยันตี)により書かれたメナムの残照です。

女流作家トムヤンティーの本名は、ウィモン・シリパイブーンと言い、1937年のバンコクに生まれでタマサート大学を卒業した人物です。

ひつじ執事
ひつじ執事
現在はタイの文芸界のみならず政界でも重要な人物で、タイ作家協会幹事、同女流作家協会会長、国会上院議員、バンコク運輸公社総裁などを歴任しています。

若い時から文芸活動を積極的に行い、20歳で初めての長編作品を発表して56編の作品を執筆しています。

メナムの残照は、1965年に執筆を行い1969年に雑誌シーサヤームにて連載となった作品で国王より最高文学賞を受賞しています。

メナムの残照 は日本でも1978年に角川文庫から 発売になっていますが、現在は残念ながら廃版です。

タイ国内でのクーカム(運命の人)の伝説的な人気

このクーカム(運命の人)ですが、テレビドラマ化された回数は実に6回!にもなります。

年代は1970年、1972年、1978年、1990年、2004年、2013年と長い期間愛されていることが分かります。

ひつじ執事
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しかもそれだけではありません。

映画化もされていて、その回数も4回で、1972年、1988年、1995年、2013年と一定周期でリメイクされ続けているのです。

更にその後のストーリーとなるアンスマリンの子供が主人公の、クーカム 2もテレビドラマ化もされています。

他のジャンルなどでは、ミュージカルで公演されたりもしています。

こうなると10年ごとにテレビドラマと映画化が決まっていると言って良いほどに、人気が確定しているタイの大定番の物語となり、最近ではそのキャスティングは大ヒットが間違いないこともあり、誰がアンスマリンと小堀の役を演じるのか注目を集めます。

ひつじ執事
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逆に言えばこの2人の役を射止める俳優がその時の1番旬な俳優ということになるからですね。

タイのスーパースター・トンチャイを生んだ1990年のドラマ化

この常にヒットをしてきたクーカムですが、特に爆発的な人気を博したのは、1990年に放送されたテレビドラマです。

小堀役を、トンチャイ・メークインタイ通称バードが演じた時で、最終回の際には新聞の一面を飾ったほどでした

この時の人気は伝説的に今も語られていて、視聴率はタイのTV史上最高の40%を記録し、放送時には全国のタイ国民がTV放送を固唾を飲んで見ていたために、この時間帯には、タイ全国の屋台が無くなって歩道が閑散としていたとか、車を運転している人が少なくなり万年渋滞のバンコクで渋滞がなくなった言い伝えられ都市伝説になっています。

ひつじ執事
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その時のテレビドラマの映像がこちら⇩ うわっバードが若いっ!

 トンチャイ・メーキンタイ:通称バード ธงไชย แมคอินไตย์

ピーバードは、タイでは知らぬ人が居ないタイ音楽界が誇るスーパースターです。

1958年12月8日生まれの58歳で、スコットランド人とマレー系タイ人のハーフになります。

サラリーマン時代に有名な歌謡コンテストに出場してその歌唱力を見込まれ27歳という年齢でデビューして、数々のヒット曲を歌ってきました。

ひつじ執事
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それに歌手活動だけではなく俳優としても活躍していましたが、やはり彼をタイの不動のスーパースターにしたのは、このクーカムの出演か決定的出した。

この小堀役を演じることで、若者から年配者まですべての層からの支持を集め、50代になった今でも、タイ人で彼がスーパースターとして突出した存在であることに異を唱える人はいないでしょう。

そしてハーフであるそのルックスも驚異的な若さを保っていますね。

私が好きなトンチャイの有名な曲の1つです。 これぞタイポップスですね。

因みにトンチャイが日本との関わりで言えば、下⇓のMVは外せません。

東日本大震災の時に、タイでは日本への募金活動と救済キャンペーンが全国で行われました。タイのプーケットの津波の際に、日本人が助けてくれた恩を、今返す時だと多くの人が活動しました。

ひつじ執事
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その時にも芸能人をリードする形で救済活動をしてくれたのがトンチャイでした。

彼はこの救済活動のための曲とMVを作成発表して、2番は自ら日本語で歌い日本を励ますメッセージを送ってくれました。

トンチャイはタイのNO1のスーパースターですから、その彼が自らそこまでしてくれる姿に日本人としては心を打たれました。

2013年クーカムは異なるキャストでTVドラマと映画の同時リメイク

そんなクーカムが、2013年に6回目のTVドラマ化と4回目の映画化が同時に決まり、それぞれに異なる俳優での映像化となります。

ひつじ執事
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2013年1月からテレビドラマ版のクーカムが放送されて、盛り上がったところで4月の映画公開というスケジュールとなっていました。

クーカムは公開のたびに人気となるコンテンツですから、その役を射止める俳優も演じる前からそれなりの期待をされている俳優か人気のある俳優であることが多く、その後にはトンチャイの様に絶大な人気となる可能性も十分にあるので毎回注目を集めます。

テレビドラマ版クーカム:小堀役ビー&アンスマリン役ヌーナー

TVドラマは小堀役にスクリット・ウィセートケーオ:通称ビーとアンスマリン役にヌンティダー・ソーポン:ヌーナーの2人になりました。

確かに2人とも人気もあり、業界としても押している2人なので納得感のあるキャストかなという感じです。

下の動画は、主演の2人が歌うTV版クーカムの主題歌のMVでドラマの映像を流しています。

アンスマリン役ヌンティダー・ソーポン:ヌーナー หนึ่งธิดา โสภณ

  • 1992年5月8日生まれ 160cm 48kg ノンタブリー県出身

ハーフ全盛のタイの芸能界において、大きなたれ目の狸顔の彼女は、個性的で私も大好きな女優です。

ひつじ執事
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映画「アンニョン!君の名は Hello Stranger」がヒットして人気となり、その後に歌手としても活躍中です。

日本でいえば上戸彩や柴咲コウ・沢尻えりか・剛力彩芽の様な人気女優がその人気にあやかって歌を出すケースですね。

歌手デビュー時にはその歌唱力を疑われたヌーナーでしたが、独特の甘い声の不思議な雰囲気に認められていきました。

今では逆に女優としてよりも歌手としての方が人気がある感じで、タイ人でも歌手が女優をしていると勘違いしていたりもします。そんな彼女のMVは日本を舞台にしたものが有名だったりもします。日本が好きなのか、彼女のイメージに合っていると事務所なりが判断しているのか。

その代表が下のMVになります。

ヌゥアイ・ゴ・パッ、マイ・ラック・ゴ・ポー

:疲れたから休すむよ、愛していないならもう良い

このMVも撮影は北海道になります。

マイ・ジェップ・サック・ティー

:全然、痛くなんかないよ

小堀役スクリット ウィセットケウ:ビーบี้-สุกฤษฎิ์ วิเศษแก้ว

  • 1985年9月4日生まれ チェンマイ出身者
  • 中華系の血が入っています。

彼はビー・ザ・スター:Bie The Starとも呼ばれますね。

ひつじ執事
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タイの人気オーディション番組ザ・スターで発掘された歌手で、クーカムの小堀役でスーパースターになったトンチャイの後継者と期待されている人物です。

俳優としても活躍していますが、業界が騒いでいるほど一般的なタイ人からの人気がないように感じます。

まぁ誤解の無い様に言えば人気はありはするのですが、第2のトンチャイというほどではないと思うということです。これがビーのMVになります。実は私個人的には演技力もそうなんですが、歌唱力も下手では無いのですが、スター性のあるものを感じないというか、、、、、、、

個人的に言えば、容姿もそうでカッコ悪くはないんですが、特別なものは感じないんですよね、、、、、

テレビドラマ版のクーカムの感想

この2人の配役だとヌーナーの存在感と演技力に押されて、ビーは余り目立たなかったと思います。実際にタイ人に聞いても余りビーに関しての話は出てこなかったんですよね。

そんな理由もあるのか、2013年のTVドラマと映画の同時映像化なのですが、次で紹介する映画の方が人気があったという印象でした。

ひつじ執事
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タイ人にクーカムと言ったら、ナデート!と返事が返ってくるのが大半を占めました。

ただ個人的な感想から言えば映画版の人気の理由はナデートの俳優としての人気であって、作品としての出来はこのTVドラマ版の方が上ではないかと思います。

その理由は、原作もある程度のボリュームがあり、それは初めは小堀を嫌っていたアンスマリンが、彼の実直な性格に絆されて心を開いていく心の変化をどう表現するかなので、2・3時間の映画に収録ということだけでも無理があると思うんですよね。

そう考えると、それなのに映画版を人気としてしまうナデートってなんて凄んだって思いますね。

映画版:小堀役ナデート&アンスマリン役アマラーワディー

映画版のクーカムの配役は小堀役にナデート・クギミヤ:ベリー、アンスマリン役はアマラーワディー・ディーカーバーレートとなりました。

ひつじ執事
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今回のクーカムの人気は、映画版に軍配が上がりました。

各俳優陣に関しても、ヌーナーもビーも人気に関しても出演後も特別変わった気がしませんでしたが、ナデートだけは元々急上昇中の若手のホープだったのが、映画クーカムで不動のトップ俳優というレベルに押し上げられたと思います。

2013年のクーカムの映像化は、ナデート・クギミヤの1人勝ちと言えるでしょう

これが映画版クーカムの宣伝用の動画です。

小堀役ナデート・クギミヤ:ベリーณเดชน์ คูกิมิยะ

  • 1991年12月17日生まれ 181cm 68kg コンケーン出身

気が付きましたか?クギミヤという苗字に実は釘宮と書くそうなんです。

ひつじ執事
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あっ!日本人とのハーフなの?と思うじゃないですか?でもそうではなくて日本人の血は入っていないそうです。

釘宮は彼の養父のの日本人の名前だそうで、実母はタイ人とオーストラリアン人ということで、育ての親・里親が日本人らしいですね。

ただ彼も日本人と深い関係がある人物だったことは間違いないようです。実はナデートはクーカムに出演する前から注目の若手俳優の筆頭の1人でした。

こうして見ても今どきのタイの若い子が好む顔立ちですからね、納得も出来ますね。

しかし凄いからだですねぇ。タイも欧米や韓国と同じで、俳優は体を鍛えてますね。

アンスマリン役はアマラーワディー・ディーカーバーレートอมราวดี ดีคาบาเลส

彼女はチェンマイ出身のバドミントンの強化選手という話で、その試合映像で目に留まりスカウトされたようです。

実はこのクーカムがデビュー作ということで、そのシンデレラストーリーが世間を賑わせました。

ひつじ執事
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しかし演技力の低さやあか抜けない容姿などが酷評されて、人気の出ないまま見なくなってしまっています。

どのような経緯で彼女に決まったんでしょうね。

誰もがやりたいと言われる役だけに不思議なんですけどね。更に今回のクーカムでもう1人日本人が注目を集めます。

ひつじ執事
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その人の名は浪川祐輔さんと言います。

彼はタイ在住の日系企業で働く日本人サラリーマンで、週末に趣味でパンク系のバンドの活動をされいる人物です。

それが映画版の予告で使用されるということで作曲した「Hideko」が、ユーチューブに投稿されるとあっという間に話題となり、150万回を超えるほどの人気となり、クーカムの映画版の本編の主題歌に急きょ決定した。

曲名の「Hideko」は、アンスマリンのタイ語の意味が日の出であることから、小堀が彼女に付けたニックネームです。

この曲をタイ語版をナデートが、日本語版を浪川祐輔さんが歌っています。どこか懐かしいメロディーのスローバラードでストーリーと重なって郷愁をそそります。

当時は街中でも浪川祐輔さんの歌声を耳にすることが良くありました。

こちらが浪川祐輔さんが歌う日本語のバージョンの動画になります。

そしてこちらの動画が、ナデートが歌う動画です。1000万回以上再生されています。

浪川祐輔さんは、タイで思わぬ形で有名人になりましたね。

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ひつじ執事
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日本と関わりの多いタイのクーカムのまとめ

どうでしょうか?タイの超人気の物語クーカムに関係する多くの人が、何かしらのかたちで日本に関わっていることに不思議な縁を感じませんか?

しかも物語の基本は、悲しいラブストーリーですが、その時代背景と政治的な思惑は、私たち日本人が内側からしか知らなかった、第二次世界大戦の日本人と日本軍の姿を見ることが出来ます。

タイと日本とは同盟国であり対立関係にはなかったと表明的には知っていても、やはり日本軍が進駐してきて同盟か開戦かと迫ることで、タイは選択の余地などない中で日本との同盟を結ぶことになるのが現実なわけです。

日本と同盟と結ぶことでタイにも戦争の火の粉が掛かるようになっていきますし、駐留する日本軍も規則正しくタイ市民に礼節を忘れない人間もいれば、暴力による恐怖を使い横暴をする人間もいるわけです。

ひつじ執事
ひつじ執事
これを実際に被害にあった側の国が描いているわけですから、日本人として非常に興味深く見れると思います。

そして明らかに日本軍の日本人の描き方が憎悪の対象としてではなく、日本軍の将校である小堀が誠実な人物として描かれていることに、タイ人の懐の深さと優しさを感じて心が震える作品だと思います。

タイと関わりがある人ならば、日本とタイの関係やタイ人を理解する上で見ておくべき物語だと思います。

少なくともタイ人で、この日本人との物語を知らない人はいないわけですからね。

そして自分もタイ人から落胆されぬように、同じ日本人として小堀の様な誠実で実直な人物でありたいと思うものです。

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海外旅行FP ひつじ執事
海外旅行FP ひつじ執事
学生時代は1年の半分は海外旅行に行き1年の長期旅行も2回経験した元バックパッカーです。訪問国は60ヶ国を超えマザーテレサの死を待つ人の家などでボランティアもしていました。 社会人としては保険会社に勤務した後に独立をして保険を中心としたリスクマネージメントや資産運用の会社を経営。 現在はタイ在住で店舗の経営とファイナンシャルプランナーとしてネットでの情報発信やライフプラン・資産運用のコンサルを請け負っています。
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