アブドラ国王の出撃
ヨルダンによるイスラム国に対する報復攻撃
ヨルダンは米国主導の有志国連合に参加してイスラム国に対する空爆を行っていました。
しかし自国のパイロットを拘束されてからはイスラム国へ軍事作戦への参加を控えていたのですが、先日のヨルダン軍パイロットの公開焼殺をうけて、イスラム国の拠点に大規模空爆を再開しました。
ヨルダン国民の怒りも最高潮であり政府サイドも「序章に過ぎない。このテロ集団を壊滅させる」との声明を発表し、これから更にアメリカ軍との合同作戦で空爆を拡大させています。
そんな状況下でヨルダンのアブドラ国王が自ら戦闘機の操縦桿を握りイスラム国空爆に出撃すると発言したことで話題となっています。
ヨルダンについて
そもそもヨルダンという国はどのような国なのでしょうか?
噂の国王はイギリスや日本のように象徴なのでしょうか?
ヨルダンは、1921年にイギリス委任統治領からヨルダン・ハシェミット王国として独立をして数度の遍歴の後に今の形になります。
ヨルダンの正式名は”ヨルダン=ハーシム王国”もしく”ヨルダン=ハシミテ王国”と言います。
一般的には”ヨルダン王国”と呼ばれ、唯一イスラム教の預言者マホメットの血をひくハーシム家による立憲君主制国家です。
世襲により君主は引き継がれ国王を元首とし、内閣と行政権をも執行しています。
つまり本当の国の最高権力者です。
それが出撃とはどういうことなのでしょうか?
しかし凄い体をしてますね。
国王の経歴
国王の軍事に関する経歴が凄いのでまとめてみました。
イギリスに4歳で留学をしてサンドハースト英陸軍士官学校を卒業後、英国陸軍の軽騎兵部隊の司令官となり活躍の後帰国します。
ヨルダン国内でも、世界最強といわれる戦闘ヘリAH-1 コブラのパイロットとなり、選りすぐりのエリート部隊の特殊部隊にもコマンダーとしても所属。
現在はヨルダン陸軍の最高司令官として軍を指揮しています。
因みにAH-1コブラはこれです。
ハリウッド映画で見た事のあるあの戦闘ヘリです。
なんか国王ではなくどこかの軍事セキュリティーの経歴みたいですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/
アブドラ国王の武勇伝
噂の部分もあるので真実かはわかりませんがまとめてみました。
自分で車のハンドルを握り空港まで外国要人迎えに行くことがある。
当時の首相小泉純一郎がヨルダンを訪問した際も、国王自身が運転をしてホテルまで送っていることが確認されている。
自分で操縦をして外交先に行くこともあり、特にエジプトへの外遊ではいつも自らが操縦しています。
王室政府公用機は、ロイヤル・ヨルダン航空所属のA310です。
イスラエルとが平和条約を調印する際にも自らがトライスターの操縦をしていて、その際の護衛機F15イーグルとのツーショット写真が撮られています。
タクシー運転手や新聞記者、老人などに変装して、一般国民の生の生活の声を聞こうと心がけている。
スタートレックが大好きが実際に出演したこともあり、また同人誌を出版したりもしています。
今回はなぜ自ら出撃
こうやってみてくると、最高権力者が自ら出撃とはなんてふざけたことをと思ってましたが、どうやら現実に能力的には可能なようですし、ヨルダン国民もアブドラ国王に対してのイメージは軍神のようなイメージのようです。
このイメージと経歴があるので、アブドラ国王の発言も世界的にも好意的に見られているんですね。
納得です。
では、なぜアブドラ国王は自ら出撃をすると発言をしたのでしょう。
実際には出撃しないか、出撃しても危険性を可能な限り低くした状態でのものであると予想します。
それはあくまで国民の怒りを拡散させることが目的と思えるからです。
イスラム国によりヨルダン空軍パイロットが焼殺された映像が公開されたことで、ヨルダン国内の世論は報復へも怒りが最高潮になってしまっています。
余りにも強い怒りが彷彿しているために、報復が不十分だとヨルダン国民の怒りが国王に向く可能性があるために先手を打ったものだと予想します。
つまり国王の私も君達と同じかそれ以上にイスラム国に対して怒っているというアピールです。
(これは営業の時に使うテクニックなんですけどね)
とは言えこんな手法が使えるのは、アブドラ国王の経歴が凄いからこそなんですけどね。
しかし凄い国王が世界にはいるんですね、驚きました。