タイのビジネスと不動産など

海外で起業!タイでお店(店舗)を経営するのは難しい?:海外移住FP

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やっぱりタイでもお店を出すのは難しい

私もタイでお店を出していますが、改めてお店を経営していくことは難しいなと思うことがありました。今回は店舗経営に関して記事にしたいと思います。

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2,3年前の新しい店舗を出す場所を探していた時のことです。パタヤのセカンドロードやナクルアなども見ていたのですが、第一候補として調べていたのがパタヤパークへと繋がる通り(THAP PHRAYA 12)でした。

パタヤパークは地上170メートルの展望台やパワージャンプで有名な観光地です。下にはプールや小規模の遊園地もあり観光客や地元のタイ人に人気のあるスポットです。

その通りはパタヤパークに来る観光客とパタヤヒルへリゾートに来る人達で賑っている場所でした。

パタヤに旅行で来ている人は特に印象に残る場所ではないかもしれませんが、観光客に対してお店の数も少なく質的にもまだ良いお店が少ないように見えたので、本格的にこの通りで店舗を出す下調べを始めました。

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店舗の出店調査

私の場合は下調べですることが何点があります。

・候補の店舗が見えるカフェやレストランを探し1日のその前を歩く人流れを見て人数と性別、年齢層を数えます。

・その通りを訪問する人の国籍や種類(観光客かツアー客かロングステイヤーかなど)を予想のなかで集計します。

・その通りの人の流れを見極めます。

・ライバルとなり得る店舗を基本的に全てお客として訪問します。これは店舗作りやお客さんの数・経営状態を知るためで、店員と話して情報を得るようにもしています。

・このライバルとなり得る店舗の特徴を捉えて良いお店のランキングを付けます。

・ライバル店のレベルから自分のお店をどの程度なら対抗出来るかを考えます。

・その付近の店舗の家賃の相場を聞いてみます。(タイって適当なのであくまで参考ですが、、、)

・ハイシーズンとオフシーズンの差がどのぐらいになるかの調査をします。

この様なことを数週間から数ヶ月に渡って調べていきます。

THAP PHRAYA 12の検証

そのように調べていった結果としては、私の判断としてはこの通りでの出店はGOでした。

通りを歩くお客さんは殆んどがロシア人の観光客で明らかにお客さんに対してお店の数の方が少ない状態でした。

それに私が出そうとしている業種の店舗が少なく、また人気店も他のエリアほどレベルの高いお店ではありませんでした。正直このレベルのお店が、1番人気・2番ということならば勝負になるかなと思ったからです。

その時はうちの店舗で働く人間の数に余裕があったので、この場所であれば問題なくそのうちの数名を移籍させることが出来ると考えたこともありました。(余り離れていると嫌がる可能性があり、強要するとタイ人は辞めてしまうだけなので、、、)

1番の問題は、この場所の観光客のロシア人の比率でした。

当時のパタヤはロシア人、中国人、インド人が急進して何処でも目立つようになっていました。その中でも、この通りのロシア人比率は異常に高かったんです。多分、85%ぐらいだったと思います。

そのために看板等も英語よりロシア語のほうが目立つように書かれていたりします。

驚いたのは、この通りにあるレストランに入った時に渡されたメニューはロシア語でした。店員に英語のメニューをお願いって頼むと、”えっ?ロシア人じゃないんだ。ないよ、英語のメニューは”って言われたんです。

いやぁ、ロシア人が多いからロシア語のメニューがあるのは分かりますけど、まさか英語のメニューが無いなんてビックリしました。

そんなことがあるぐらいここのロシア人比率が高かったわけですが、もしロシアの景気が悪くなったり戦争をしたらそのダメージが大きすぎることが大問題でした。

これにはかなり悩みましたが、ただ他の条件は非常に良かったので、そのリスクを背負ってでも出店する価値はあると考えたわけです。

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結果出店ぜず

それから本格的に店舗を出す場所を探しました。

ですが、結局は私は良い店舗とその家賃交渉が上手くいかずにこの通りでの出店を諦めました。当時は空き物件も少なく大家さんの求める家賃が凄く高くて交渉をしていたのですが、折り合わなかったんですよね。

私が予想する収支から逆算する家賃(2万5千バーツから3万5千バーツ)の1.5倍から2倍ほどのところばかりでした。

タイでは相場で家賃を決めるというより儲かるか儲からないかを大家が判断して決めるので相場の2倍・3倍なんて家賃を恥ずかしげも無く言ってくるのも普通なんです。まぁ仕方ないかなという感じでした。

家賃は異常に高いしロシア人の比率が高すぎてリスクだし、まぁ仕方ないかなという感じでした。

ただ諦めた2・3ヵ月後に知っている同業の店舗オーナーがその通りにお店を出すことが決まったという話を聞いたときには、正直悔しかったですね。

それにそのオーナーは金持ちタイ人なのですが、やはり家賃の交渉に関しては地元のタイ人は強いなと思いましたね。

その場所は私も家賃交渉して諦めた場所でしたから、彼が出店したと言うことは馬鹿じゃない限り家賃を通常の価格まで下げて貰ったということでしたからね。

現在の状況

通りを歩くお客さんの数

では、当時は非常に賑っていたこの通りの現在の状況を見てみましょう。

通りの出口にこのホテルが建設中でしたので更に観光客が増えることがその頃は期待されていました。

2015-09-09 17.49.39 (640x480)しかし、このホテルの貸し店舗にさえもテナントが入っていません。

2015-09-09 17.48.51 (640x480)これだけ綺麗な良い場所でも空いています。

2015-09-09 17.49.07 (640x480)これがこの通りをパタヤパーク側から見た写真です。人がいない、、、、、

2015-09-09 17.42.10 (640x480)これが通りの真ん中ぐらいなのですが、やっぱり観光客が居ないですね。
2015-09-09 17.43.43 (640x480)これは反対側から通りを見た写真です、、、、、、、 観光客が歩いているような通りに見えないですよね。

これじゃぁ、普通の通りでしかないです。

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通りのテナントの状況

当時は新築のビルも建設中で空き物件も限られた状況でしたが、今は多くのテナントが空いてしまっています。

 

2015-09-09 17.46.43 (640x480)その当事に新しく出したお店も多くは閉店しています。 2015-09-09 17.46.27 (640x480)新しく建てたビルでしたが、このビルのテナントは全て苦戦したようです。 2015-09-09 17.46.05 (640x480)ロシア語の看板のあるお店です。
2015-09-09 17.43.46 (640x480)英語よりもロシア語のほうが大きく書かれていますね。
2015-09-09 17.44.48 (640x480)ここはまだ閉店後間もない感じでしょうか?
2015-09-09 17.47.15 (640x480)今日はオープンをしていないのか、潰れたのか分かり難いお店も結構あります。
2015-09-09 17.47.20 (640x480)このお店は丁度私が調べていた時に出店した綺麗なお店でしたが、今はこの様な状態に、、、、
2015-09-09 17.47.35 (640x480)これも当時出したお店です。当時は場所が限られていたため、こんな場所に簡単な建物で出店をしていました。
2015-09-09 17.47.59 (640x480)その頃に作った小規模の市場でお土産ものや雑貨を売っていましたが、殆んどが撤退ですね。
2015-09-09 17.45.26 (640x480)写真がボケています。すみません。

このマッサージ店アイボリーはパタヤの有力店サバンナの姉妹店で2年ほど前に出店しました。綺麗な内装に腕のあるマッサージ師がいるお店で私も行きました。

このお店でさえも大分閑散とした雰囲気になってしまっています。
2015-09-09 17.41.39 (640x480)こんな中でもTTカレンシーエクスチェンジはあります。 2015-09-09 17.44.40 (640x480) TTカレンシーエクスチェンジは今勢いが凄いですね。パタヤ・ジョムティエン・ナクルアどんどん出店して規模拡大中です。 2015-09-09 17.48.14 (640x480)

おまけ

因みにセカンドロードとパタヤ中央通りにあるトップス・マーケットが撤退したようです。場所は悪くは無いと思うんですけどね。

前から客入りがあまり良くなく2年ほど前に新装にしたのですが、変わらなかったようですね。となりのシラチャーのトップス・マーケットは同じ品揃えでも大盛況ですから難しいものですね。
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まとめ

結果は皆さんもご存知のとおり、ロシアはウクライナ問題でアメリカ・欧州と1部戦闘状態の対立をし、アメリカとOPECはシェールガスでの対立から原油価格を暴落させました。

これを受けて原油の輸出国ロシアのルーブルは1年も掛からずに半値まで価値を下げ欧州からの資金調達も販売ルートも制限がかかり景気は冷え込みました。そしてプーチン大統領は景気低迷となっても政治優先の姿勢を国民に発表しました。

この急激な変化によりパタヤのロシア人観光客は昨年末から激減しました。今年は例年の20%から30%程度ではないでしょうか?当然ですよね、ルーブルの価値がここまで下がったなら。

でも不思議なもので世界の景気は入れ替わりもあるので、私のお店でもロシア人の変わりに欧州の白人やベトナム人それに地元のタイ人も来るようになり酷く売り上げが落ち込むほどではありません。

ただし、上に見たTHAP PHRAYA 12は違ったようです。写真を見ても分かるようにここまで観光客が居なければどうしようもありません。

いやぁ、本当に当時にお店を出していなくて良かったと思います。

まぁ人によってはそんなリスクのある場所でお店を出そうとしていること自体が馬鹿なんだよって言うかもしれませんが、ビジネスをする以上どこかでリスクを取らないといけませんからね。

結果論ではどうともいえますし、確かに私もロシアがここまで欧米と対立するとは予想していなかったのも事実です。経済を優先してもう少し折れると思っていましたし、またアメリカがここまで原油価格でのチキンレースを行うとも予想していませんでした。

世界情勢の予想は難しいですね。

海外で商売をしたいと考えている方もいらっしゃると思いますが、日本より起業しての存続率は低いということは感じられればと思い今回の記事を書きました。

自分の予想とは異なる波が大きな形で押し寄せることもあります。これから何かのビジネスを始めたいと考えられている人はくれぐれも慎重に判断して下さいね。

ABOUT ME
海外旅行FP ひつじ執事
海外旅行FP ひつじ執事
学生時代は1年の半分は海外旅行に行き1年の長期旅行も2回経験した元バックパッカーです。訪問国は60ヶ国を超えマザーテレサの死を待つ人の家などでボランティアもしていました。 社会人としては保険会社に勤務した後に独立をして保険を中心としたリスクマネージメントや資産運用の会社を経営。 現在はタイ在住で店舗の経営とファイナンシャルプランナーとしてネットでの情報発信やライフプラン・資産運用のコンサルを請け負っています。
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